NEUMANNと言えばNEUMANN U87が有名ですが、BINAURAL用のマイクを製造しているのは、あまり知られていません。
Neumann Model KU 100が、それです。値段は、$7,459.99と、さすがにチョット買うって言う程度の機器ではありません。しかし一度バイノーラル録音を聞くと、そのリアルさにはビックリします。ステレオソースをヘッドホンで聞くと、音像は頭の中に定位します(頭内定位)。

実際の音を聞く場合は2つの耳で大凡の位置を体験的に察することができますが、マルチマイク、マルチトラック録音では、それらの情報は無視されることになります。ダミーヘッドにより耳の形状などの個人差も吸収します。ダミーヘッドの耳の奥に取り付けられた2つのマイクによって音声を収録、録音された音はヘッドホンで再生されます。殆ど入り口から音を収録して再生されるのでスピーカーと比べリアルな音場を得られます。特に耳の中に挿入するタイプのヘッドフォンだと効果的です。
但し現実音を収録するのなら問題は無いのですが、フィルタや人工的な作業を加えるのが非常に難しい、スピーカー再生が困難など制約が多い為、あまりポピュラーではありません。学生の頃はビクターから発売されていたヘッドフォーン付きダミーヘッドを使って生録をしていました。今でもカセットのライブラリーがあります。
こんなのも紹介していますが、昔も似たようなのがありました。そう、ビクターさんは、バイフォニックって言っていました。昔、松下からもチョット本格的なダミーヘッドが出ていたのですが・・・そうそうナポレックスからは発砲スチロールのダミーヘッドが売られた事があります。これも使ってみましたが、中が空洞で素材の問題もあり不可。外耳も作り込まれていませんでした。一時自分の耳の型取りをしてダミーヘッドを作ろうとしたこともありましたが、忙しくて実現しないままでいました。
生録と言ったらプロはNAGRのテレコです。現在は持っていますが当時はTEACそしてSONY等を使っていました。一番使ったのがD5だと思います。現在も欲しい機種はローランド
R-4、フォステックス
FR-2、
ソニーなど幾つかあります。しかし、ソニーのマシンに付いているマイク部分はRODEの
NT4のパクリじゃないのかしら?
自慢ではありませんが昔、沢田健二氏のミキサーとして有名だった方に生録音のレクチャーをしたこともあります。まあ、その方は当時高価だった私の持っているSONYのF1 PCM録音機材を借りたかっただけだったのかもしれません。この機材は音楽コンテストの賞金で購入したセットです。相手の下心は見え々だったので、丁重に断りました。しかし、しっかりLAの海外ロケ仕事は横取りされましたが・・・そんな業界です。新宿御苑近くにあったスタジオね^^;もうばらしたって良いでしょ?

有力なコネのない、親の反対も背負っている才能ある若者(自称^^;)は、そうやって安くコキ使われるんです。この話しだって、自分で開拓した人材を辿っていたんですが、見事に裏切られたしね。そんな事をジッと我慢して日の目を見られるチャンスを伺うのが通常手段なのでしょうね・・・私には耐えられませんでした。人並み以上は辛抱しましたが、便利に使われただけで、ハッキリ言って私の場合、努力は全く報われませんでした。
短い期間ではありましたが、仕事でも通常録音で多くの生録をしました。今ではメディア的には消えゆく運命ですが、数多くのLDで使われました。また音楽でも作成して生録音源が必要にでもなったら録音機は購入すると思います。あっ!ナグラもステラもあるので、それを使ってみてからです。ん〜 何時のことになりますやら・・・
Neumann Model KU 100の兼価版でも出さないかな〜
(=゚ω゚)ノ!!さんとのメールのやりとりで思い出したバイノーラルのお話でした。